2013/6/5
チャレンジ!
「はい、いきますよ~」 イッチ(1) ニー(2) サンッ(3) シー(4) 威勢のいい柔...
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こんにちは、スーザンです。
入社してまだ間もない1月の末、アマルネス・ガーデンに研修に行きました。1階にはエキゾチックな雰囲気たっぷりのデイ・ケアがあり、素敵だなぁーと見とれていました。お洒落で楽しく運動できる環境があり、奥には個別リハビリが受けられるスペースもあります。私もご利用者の方々と一緒にエクササイズをしましたが… 効くーっ!結構キツかったです。
さて…デイ・サービスはレクリエーションなどを楽しむ所。デイ・ケアは体の機能を訓練する所…、と、何となく知ってはいるものの、理学療法士「PT」さんとか、作業療法士「OT」さんとか、どんなことをされているのかはイマイチ私はよくわかっていません。
「体育系の理学療法士、文化系の作業療法士」って一般的に言われているそうですが、ウィキペディアによると、理学療法士のリハビリ目的は「基本的な動作能力を回復させる」ことで、作業療法士は「応用動作能力と社会的適応能力を回復させる」ことが目的なのだとか。今回はアマルネスでの作業療法士「OT」さん達の仕事ぶりを取材してみました。
などを軸に、したい事が行えるようお手伝いするのだそうです。
創造活動っていうと、例えば私なら編み物や書道、陶芸、お料理、音楽なんかがうかんできます。「文化・カルチャー」がリハビリになるなんて思ってもみませんでした。クリエイティブ!ですよね。アマルネスでは作業療法士さんたちはどんな創意工夫を凝らしているのでしょうか? 気になります。
アマルネスには2名のOTスタッフ(SさんとTさん)が勤務しており、(2名常勤は珍しいそうです)、取材で答えてくれたSさんは
「その人らしく生きてほしい」
「豊かな生活をしてほしい」
「体だけでなく、こころの動きも大切にしてほしい」
と語ります。これらは私達自身の生活にも通じることで、この3つのひとつでも欠けていると充実した満足な人生は送れない、って私は思っていました。
でもSさんいわく、「何か欠けながらも楽しい人生を送ることは可能です。お金がなくても幸せになれるのと同じ感じです。体が動かなくても心が豊かであればよい人生です。OTは身体機能だけでなく、精神面にもアプローチします。」
ますます彼女らの役割りに興味が湧いてきます。
アマルネスでは主に、脳卒中、高次脳機能障害、認知症、骨・関節障害、リウマチ、末梢神経損傷、骨折・外傷、心臓疾患、うつ病などを患っておられる方々をはじめ様々な方が通所して来られるそうですが、Sさんは認知症の方がこれからも増え続けると予想しています。
おそらく…ですが、辛くてリハビリなんか『したくない』『出来ない』とおっしゃる方や『やる気がでない』『こんなことして何になるんや』と言う方もなかにはおられるのではないでしょうか? 人をやる気にさせる秘訣…、夢中にさせる秘密、そして「続けたくなる」気持ちってどう補助してあげると出てくるのでしょうか。
「はい…、簡単ではないんですが、『この動きができたらこんな事ができますよ』と、「目標」と、その先にある「目的」を明確にしてあげます。」
目標:「歩けるようになろう」→ 目的:「だって大好きな孫と手をつないでお散歩できる」
目標:「手が使えるようになろう」→ 目的:「昔のように料理を作って家族にふるまいたい」
「歩くとか、手を上げるとか、作業はあくまでも手段。人生や生活を向上するお手伝いが私達の仕事なんです。その人その人の価値感、生活/人生歴に寄り添って、個々の生きる目的や意味をさぐっていきます。目標を達した先には平凡であっても素晴らしい『目的』がある、ということを話し合いながらリハビリをうながします。」
うーん… かなりイメージがわかってきたものの… いかにして核心にふれるのでしょうか。
「心理作戦ですかね…、その人の感性を探りながらキャラクターを理解していきます。その人のクセなんかを観察して好きなことがわかる時もあります。そして、頑張らなくていいんですよ、無理しなくていいんですよ、と伝えながらお話しを聞いて、何度も聞いて、おしゃべりしながらリハビリの目標となる糸口を少しずつ引き出していきます。信頼感、安心感を少しずつ得ながら1対1で人間関係を築いていくようにしています。」できればご家族の方々とも、もっと関係を深めたいとか。
「徘徊ばかりしている方がいらっしゃって、ある日ぬり絵をお願いしたらすごく気に入って集中して下さいました。」
「昔バレーボールの選手だった方に何気ないボール遊びを勧めたら楽しんでして下さっています。」
「陸上選手だった方にエルゴメーター(自転車こぎのようなもの) を勧めたら凄く集中して楽しんで下さっています。」
こんな成果があがるのは、人間観察とコミュニケーションの積み重ねの証しですね。機械だけに頼らず皆様一人一人とおしゃべりしながら「達成感からくる充実感や楽しみ」の糸口をさぐる達人だなーと思いました。人は、自分にしかない役割りがあると知ると、つい頑張ってしまうそうです。
Sさんが話してくれたことは、ひとつひとつ全て私達誰にでもすっぽりあてはまるような気がします。カタルニア語を挫折しつつも続けている私ですが、A1という試験に受かるのはあくまでも「目標」で、大切なのはカタルニアの人々とコミュニケーションをとったり、文化(芸術や音楽、昔話から食まで)を堪能したい♡という「目的」なんですね。だから頑張れる、のだと思います。豊かな人生とはこういうことなんだな、と学びました。
協力して下さったSさん、Tさんをはじめ、アマルネス・ガーデンのスタッフの皆さん、ご利用者の皆様、ありがとうございました。