さようなら、全てのアニキシステム(旧支援システム)

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介護福祉士・社会福祉士・保育士 実習生受け入れ 兵庫・尼崎・日生中央・姫路

皆様こんにちは。
システム担当のまるです。

12月から法人内の全ての特養で新システム「あかネット」の運用が始まりました。
今期中にショート機能も実装する予定ですので(現在天河草子で検証中)、リリース次第、順次各施設で運用を開始できると思います。

これに伴い、長い間お世話になったアニキシステム(旧支援システム)は、もうすぐその役割を終えることになります。(なぜ「アニキシステム」かというと、開発者のあだ名が「アニキ」だったため)

アニキシステムは、先輩SEであるミスターが入職する前から運用されていたので、実に約10年もの間、あかねの業務を陰ながら支えてきたことになります。当時のSEはアニキしかいなかったので、一人で作ったシステムがこれだけの期間大きな不具合もなく運用され続けてきたことは、本当にすごいことだと思います。(アニキが去った後はミスターが運用・保守を引き継いでいました)

今回は、そんなアニキシステムに敬意を表し、アニキシステムとはどんなシステムだったのか振り返ってみると共に、あかネットがどんなシステムなのかを簡単にご紹介したいと思います。

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「アニキシステム(旧支援システム)」はどんなシステムだったのか?

アニキとアニキシステムについては、以下の過去ブログで紹介されています。

日曜日のブログは企画モノの日!   (詳細はこちら)   早いものでもう第4弾。   なかなかの好評を得ている日...

実は特養・ショートだけじゃない?

見慣れたこのメニュー画面で、毎回無意識に「特養・ショート」を選択していますが、かつては「デイ・ナイトサービス」、「ホームヘルパー」もアニキシステムを利用していました。(よく見ると「お知らせ」もあり、今月の予定や誕生日を確認することも出来ました)

現在では、デイサービスはミスターが開発したデイシステム、ヘルパーは他社システムに移行しています。最後まで使われたのは特養・ショートでした。

アニキシステムは守備範囲がかなり広いシステムだったことがわかります。(これを一人で作ったのは本当にすごいです)

分散型システム

アニキシステム開発当時はPCの性能や容量、ネットワークも今のように余裕のあるものではなかったため、アニキシステムは分散型システムとして開発されています。

これは、システムの本体(実行ファイル)とデータベースを、各施設のサーバーの数だけ用意して、各施設のサーバーごとに配置するというやり方です。

そのため、システムに高速にアクセス(当時としては)でき、別の施設のサーバー障害の影響を受けないというメリットがありました。

豊富な機能と数多くの帳票

現在アニキシステムは利用用途が限られていますが、使われていない機能が数多くあります。
食事量や入浴数、不眠者なども実はアニキシステムで入力でき、出力できる帳票の数もかなりありました。一つ一つの帳票(Excel)にプログラムが書かれており、作るのは大変だったと思います。

しかし、PCでしか入力出来ないことがネックとなり、あかネット導入まで、食事量などは紙で記録する運用となっていました。

介護業界では珍しい法人内製システム

アニキシステムは、完全に法人内で作られた法人内製システムです。

高額な他社システムを利用するしかなかった当時としては、大変珍しかったと思います。(今でも珍しいですが)

法人内製システムには次のようなメリットがあると考えています。

①システムを業務に従えることができる
他社システムは多くの企業が利用しており、規模も大きいため簡単には仕様を変えられません。そのため「業務がシステムに従う」ことになります。内製システムの場合、早ければその日でも仕様を変更できるため、現場の声に迅速に対応して、より現場の業務に適したシステムに成長させられるので、「システムを業務に従える」ことが出来ます。

②差別化の源泉になる
他業種でも、中規模以上の会社は基幹業務に関しては、ほぼ自社システムを開発しています。
それは、他社との競争における差別化の源泉になるからです。
業務を効率化して無駄を省き、より大きい価値を創造し続ける姿勢が大切で、その変化に柔軟に対応するシステムをオーダーメイドで開発できることは、大きな強みとなります。

新システム「あかネット」について

アニキシステムの限界

長年使われてきたアニキシステムですが、技術の進歩と共に限界が見え始めました。

その最たるものは、ブラウザをInternetExplore(IE)に限定しているという点です。IEはもうすぐ歴史的役割を終えようとしているブラウザです。

また、クラウド利用を優先して考える「クラウドファースト」の躍進や、光回線、4G・5Gなどの大容量で高速なネットワークが主流になったことで、システムの可能性も飛躍的に向上しました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の流行や、LIFE(科学的介護情報システム)の登場なども相まって、あかねのシステムも次の段階に進む必要が出てきました。

そこで新しく開発された(現在も開発中)のが、新業務システム「あかネット」です。
あかネットも完全な法人内製システムです。

あかネットはEdgeやChrome、Safariなど複数ブラウザに対応しているため、タブレットでの利用が可能で、その他にも以下のような特徴があります。

全てのデータを一元管理する統合データベース

あかネットでは、分散されていたデータベースを一つにして、法人内の全施設・全サービスのデータを一元管理する統合データベースを構築して利用しています。
このため、施設間・サービス間の情報連携を簡単に行うことができ、情報の更新(要介護度など)も一度行えば全てのサービスに反映させることができます。

最新の設計手法 SPA(シングルページアプリケーション)に挑戦

あかネットのサブシステムである、特養・ショートシステムでは、最新の設計手法であるSPA(シングルページアプリケーション)に挑戦しています。
SPAとは、最初の起動時に必要なデータ(画面など)を全てダウンロードしておき、その後は必要最小限のデータ通信のみ行うので、処理速度が速くなるというものです。(スマホアプリのようなものです)

ただし、バージョンアップ後などの最初の起動に時間が掛かるというデメリットもあります。

自然災害や障害に強いクラウド型アプリケーション

あかネットは世界的にも有名なクラウドサービスを利用しています。
サーバーの物理的な故障や自然災害などから大切なデータを守り、システムを継続して利用できるように、BCP(事業継続計画)対策を図っています。

今後の開発予定

あかネットは現在、特養・ショートシステムを運用しながら、順次機能追加を行っています。

今後、
・デイサービスシステム
・デイケアシステム
・訪問介護システム
・訪問入浴システム
・ヴィラシステム
・ケアハウスシステム
・新BBSシステム(情報連携システム)
・食数管理システム
・経営情報システム
など、様々なサブシステムを開発予定です。

開発担当の大まかな振り分けは、

・在宅系(デイ、訪問介護など)→ミスター
・施設系(特養、ヴィラなど)→まる

となっています。

まとめ

以上、アニキシステム(旧支援システム)の振り返りと、あかネットについてでした。

あかネットを開発する際、アニキシステムの作りをかなりの部分参考にさせて頂きました。
画面の構成やデータベースの構造など、そのまま流用している部分も数多くあります。
内部構造を見てみると学ぶことが非常に多く、アニキやミスターの技術力にはまだまだ及ばないな、と痛感させられました。

あかネットはアニキシステムを超えることが絶対条件なので(不便になっては意味がない)、アニキやミスターの背中を必死で追いながら、これからの開発を行っていきたいと思います。

まだまだ不便な点や不足している機能も多々ありますが、現場の皆さんと共に、アニキシステムを引き継いだあかネットを、「次の10年を支えるシステム」に成長させていきたいと考えています。

あかネットもまた、いつかその役割を終える時が来ます。
その時、少しでも新しいシステムの糧になってもらえれば幸いです。

さようなら、全てのアニキシステム!
長い間、本当にお疲れ様でした。

 

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