2015/10/29
ブログは毎日更新です。
こんにちは、人事・りょーたです。 今日は先日のソルのブログにありましたように、 ブログで『あかねらしさ』を発信することは大切だと思います...
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こんにちは、スーザンです。
映画やドラマが何より好きな人、いえいえ、小説に勝るものはないでしょ、と言う人。「映画VS小説」の話題にはいつも熱い火花が散ります。
私はどちらも大好きで、「原作のほうが絶対にいいよねー」「映画のほうが絶対に面白い!」の方向に会話がいくと、ただうんうんと言うだけ、です。
比較してみたいものは山ほどあるのですが、最近見直したもの、はまっているもの、深く考えさせられたもの、の3作品をピックアップしてみました。
2012年に公開されたアン・リー監督のファンタジー冒険物語です。アカデミー賞作品賞、撮影賞、視覚効果賞、作曲賞を受賞したことで、特に映画好きでない方も「聞いたことがある」のではないでしょうか。
私は15年ほど前に原作と出会いました。イギリスでブッカー賞をとり、何週間もベストセラーになっていて、当時「話題の本」でした。私も本を買って読み始めたら止まらなくてあっという間に読み終わり、幻想的な描写と独創的なストーリーがすごく気に入って、本がボロボロになるまで読み返しました。
その当時はこの本が映画化されるなんて想像もしませんでした。実現不可能な想定、私たちの想像の中でしか広げることのできない世界だと思い込んでいたのです。「映画化」の噂を聞いた時、信じられなかったし、全く期待もしていませんでした。
……が、私は現代の3D技術を甘く見ていたんですねー。アン・リー監督率いる3Dアーティスト達が「ありえない」夢のような世界を描いてくれました。
私には私なりの「ライフ・オブ・パイ」が頭の中に広がっていて、小説に没頭することを楽しんでいました。ところがアン・リー監督は私たちにまた別の幻想の世界を創ってくれたので、全く違う感動に私は吸いこまれました。私を「驚かせてくれた」ことに一票を投じたいですが、小説の美しさは何にも比較することはできない、とも思うし……、どちらがおもしろいか、は決めかねますねー。そういう作品、ありませんか?
私は海外ドラマにとてもはまりやすい性質です。深ーーくはまりこんで(逃げられなくなって)しまったものといえば、「ツイン・ピークス」をはじめとして「ファーゴ」「アメリカン・ホラー・ストーリー」などですが(これらの話をすると徹夜になるのでやめておきますね。)、この「ゲーム・オブ・スローンズ」は軽いノリではまっています。
もとはと言えば、「七王国の玉座」という本を昔読んだのが始まりでしたが、中世ヨーロッパ(架空の土地)を舞台にした戦国もの+ファンタジーもので、読んでいるうちに誰が誰でどこの国がどこにあったかわからなくなってきて読むのをやめてしまいました。
この本が進化して「ゲーム・オブ・スローンズ」になり、ドラマ化されているのですが、私はストーリーよりも俳優さんや衣装に目がいって観るようになりました。
何しろ、デナーリス役のエミリア・クラーク(イギリス人)が可愛すぎ!!です。
その他、衣装が素晴らしかったり(担当のミッシェル・クラプトンはメジャーな賞をいくつも受賞している実力派)、ウイッグ(かつら)がひとつなんと50万~80万円もする凝ったものだったりして、視覚的にとても楽しめるのです。映画並みにお金をかけて贅沢に作り込まれているものは目の保養になるので好きですねー。こういう作品は、原作を無視していいと思います。
余談ですが、トランプ氏が大統領選に出馬していた頃、フェイスブックを超賑わせたパロディ動画がありました。(2日間で40万回の視聴、2,000のコメントあり) 動画はこちら
デナーリスが民をつれて放浪、「私たちを受け入れてくれなければ、皆死んでしまいます。」と嘆願するも、「ガイジンはお断り」と突き放すトランプ氏。いつの世も権力争いや土地争いは同じ……というか役にピッタリハマったトランプ氏の姿がタイムリーなツボをおさえていて、この動画はめちゃくちゃ笑えました。
この作品は映像に魅せられてしまう逸品だと思います!
1963年に公開されたピーター・ブルック監督のこの映画は、1954年出版のウィリアム・ゴールディングの小説をもとにして作られました。(1990年代にも映画化されているようですが私は見ていないので省きます。)この作品も原作を読むのが先でした。
飛行機が墜落し、乗っていた少年たちは南太平洋の無人島で救援を待つ……。一見、「サバイバルもの」と思いきや、人間のもつ残虐さを子供達が演じる凄まじい小説です。もう何十年も前に読んで震え上がりました。
不思議な題ですが、「聖書に登場する悪魔であるベルゼブブを指しており、作品中では蠅が群がる豚の生首を「蠅の王」と形容している。また、生首が豚であるのは、七つの大罪のうちのベルゼブブが司る『暴食』を象徴する動物が、豚であるからと思われる。」そうで、この分かりにくい解説からも想像できるように?恐ろしい物語です。
1993年、イギリスで子供が子供を殺害する事件があり、この小説がメディアに大きく取り上げられていたことがこの本に出会ったきっかけでした。「なぜこんな事件が?」と理解に苦しむ人々は、この物語が何かを示唆していると感じたのでしょう。
あまりにもむごたらしく凄惨なのですが、「人間の本能のひとつ」といわれる「殺意」を、この本は漂流した子供達を通して丁寧に描いていて、何度も読み返しました。
戦争やテロ、人は人を征服するだけでなく命を簡単に取り上げてしまう……、そういう行為を何千年と続けているのはなぜなのか?単に私利私欲の為なのか、神という名の全能のクリエイターの為なのか?この本は、もうひとつの否定しがたい答えを静かに訴えているような気がします。
この映画は久しく観ていません。なので原作本と比べるのはフェアではありません。が、人間の真髄に潜むものをじっくりと書き綴ったこの小説はどんな映画にも勝る、と、今も初めて読んだ時の恐怖感を思い出しながら軍配をあげたいと思います。
映画と小説って、本当は比べるべきものではないのかもしれません。小説は、作者が思うままに筆を走らせ、読み手が一言一言自分なりに解釈・咀嚼し、作品を頭の中で膨らませますね。作者のオリジナルの意図から離れて自由に作品が広がることはよくあると思います。何度も読み返しながら「作者とともに創りあげる世界」が小説にはあってそれが私には大きな魅力です。
映画は何百人、何千人というスタッフによってつくりあげられ、私達は作り手のフィルターを通して作品を観る、解釈することになります。作り手の表現力がキーですよね。映画の場合、私はその「作り手の表現力を味わう」のが大好きです。
映画は映画、小説は小説として、別々に楽しむのがいいのではないでしょうか? あなたはどうですか?