2015/1/13
2015年のハッピーバースデー(‘ω’)ノ
こんにちは クリエイティブチーム ソルです。私にとって新年一発目の ブログとなりました 昨年は読んでい...
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皆様こんにちは。
システム担当のまるです。
最近YouTubeで、なぜかおすすめに出てきた面白い動画がありました。
リクルートのCMで、仮面ライダーの実際の映像を使って、地獄大使などの幹部や怪人達の困った行動に対し、哀愁漂うBGMでショッカー戦闘員が転職の心境をつぶやくというものです。
・「うちの職場は無責任な上司が多過ぎる。」
→いかにも電流が流れていそうな金網を前に、怪人が戦闘員に金網を開くよう命じるシーン(実際電流が流れていた)
・「やべぇ、捕まったら残業だ。」
→戦闘員が仮面ライダーに追いかけられるシーン
・「これって、土日まで使ってやる仕事だろうか。」
→地獄大使と一緒に仮面ライダーに見つからないよう隠れているシーン
・「とてつもなく眠いのは、仕事がつまらないからか。」
→ショッカー首領の演説を聞いているシーン
・「いまの仕事に不満はない。ただ、もっと輝きたいんだ。」
→戦闘員が仮面ライダーに突進するシーン
このように離職の理由は様々ですが、介護業界の離職はお世辞にも少ないとは言えません。
そこで今回は、この離職の指標である「離職率」と介護業界について簡単に調べてみたいと思います。
介護経営の重要な指標として、以下の3つが挙げられます。
①稼働率→利用者満足の指標
②離職率→従業員満足の指標
③利益率→経営者満足の指標
今回のテーマは「離職率」ですが、定義は
ある時点の在籍人数に対して一定期間後に退職した人の割合
となります。
例えば、1/1に従業員が100人在籍していて、12/31までに10人が退職した場合、
10 ÷ 100 × 100(%) = 10%(年間)
になります。
「介護労働実態調査」によると、平成30年度の介護業界の離職率は、
15.4%(年間)
でした。
100人の法人で、1年間に約15人が退職していることになります。
ちなみに、離職率は平成24年度の18.3%がピークで、徐々に減少傾向にありますが、離職者の約6割は勤続3年未満の職員とのことです。
離職の理由ですが、上位は
1位 職場の人間関係に問題があったため(20.0%)
2位 結婚・出産・妊娠・育児のため(18.3%)
3位 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(17.8%)
4位 他に良い仕事・職場があったため(16.3%)
5位 自分の将来の見込みが立たなかったため(15.6%)
となっています。
一般的に離職率は10%未満が優良企業と言われていますが、介護業界内においても離職率は2極化しており、離職率10%未満の法人が約4割、離職率30%以上の法人が約3割もあるそうです。
離職率を産業別に見ると、低い業界は、
・鉱業、採石業、砂利取得業 6.7%
・建設業 9.2%
・製造業 9.4%
・電気・ガス・熱供給・水道業 10.7%
離職率が高い業界は、
・宿泊業、飲食サービス業 26.9%
・生活関連サービス業、娯楽業 23.9%
となっており、全産業の平均離職率は14.6%となっています。
介護業界の離職率は15.4%なので、平均より0.8%だけ高いことになり、産業別に見るとそこまで高いわけではないことがわかります。
離職率の低い業界の特徴は、
・競争が少ない(参入障壁が高い)
・「BtoB業界」である
・給料が高い、福利厚生が充実している
・人を育てる環境が整っている
などが挙げられます。
(逆に「BtoC業界」は見ての通り離職率が総じて高いですね)
書籍「介護経営イノベーション」(著 森一成)によると、社会福祉法人合掌苑の離職率は7%、月平均残業時間は7時間、有給休暇取得率82%、1週間以上の長期休暇を年2回全員が取得しているということです。
合掌苑もまた、以前は離職の多さに苦しみ、当時離職率は20%を超えていたそうです。
そこで従業員満足度調査(ES調査)を行ったところ、様々な問題が見えてきました。
合掌苑で行った取り組みをまとめると、以下のようになります。
・募集への取り組み(「業務の切り出し」による、障がい者、子育て中の方などの積極採用)
・採用方法の見直し(採用に時間をかけ、人材を選ぶ)
・面談の実施(MBO(目標による管理)を導入)
・夜勤専従化(日勤と夜勤の切り離し)
・月給制から時給制への移行(法定労働時間に縛られず、柔軟なシフトを組める)
介護業界でも、取り組み次第では低い離職率を実現できる良い事例だと思います。
離職の理由は様々ですが、会社や施設側の努力で回避可能なものは、「従業員不満足」を原因とする離職だと思います。
私がほかの業界から福祉業界に入って思ったのは、福祉業界における「利用者様」は、他業界の「お客様」より、はるかに絶対視されているということです。これは、福祉業界が社会的に不利な立場にいる方たちのために存在するため、「利用者様」は単にお金を払ってくれるだけの存在ではなく、守るべき存在であり、「献身的な奉仕」が当たり前、という潜在的な認識が根付いているからだと思います。(あくまで私見ですが)
これは裏を返せば、「利用者満足」のためには「従業員満足」を犠牲にすることも厭わない、ということになるかもしれません。一部利用者様からの暴力や暴言など、認知症や障害を理由に誰にも訴えることもできず、泣き寝入りするしかないこともあります。介護業界における離職問題の本質は、こういった部分にあるのではないでしょうか。(賃金格差などほかの要因もありますが)
介護業界のような「人」が主体になる業界においては、「従業員満足」がないところに「利用者満足」は成り立たないと考えています。サービスを提供する側の「従業員満足」が低いのに、「利用者満足」は高い、という状態は、従業員の犠牲の上に利用者満足が成り立っていることになり、一時的には維持できても長くは続きません。(最終的な従業員の離職により)
従業員満足がすべての源泉であり、その結果、離職率が減り定着率が高まることで、人員の確保、育成などしっかりとしたケア体制を整え、質の高いサービスを利用者様に提供することで利用者満足も高まり、稼働率や利益率など経営も安定することになると思います。
何が従業員満足につながるのかは様々ですが、その根本は、「この会社(施設)が好きだ」、「この会社(施設)で定年まで働きたい」、「この会社(施設)に大切にされている」という実感を従業員が持てるかかどうかではないでしょうか。
以上、離職率に関する簡単な調査結果でした。
少子化の影響で、全産業における人手不足が深刻化しています。
「超高齢社会」に突入し、高齢化が加速しているなか、介護保険制度という基盤こそあれど、人手不足を何とかしなければ、我々も老後に適切な介護サービスを受けられなくなるかもしれません。介護人材の確保、育成、地位向上は、国や介護業界が一丸となって取り組むべき重要な課題ですね。