この業界で、気づかされたこと。

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ヴィラ杢園
 
私のいる【経営戦略室】は
昨年の秋頃に出来た部署です。
 
 
しかも、みんな元は
違う業界にいた人がほとんどです。
 
 
このブログは、就職活動中のみなさんへ向けた
 
人事ブログでもあるのですが、
 
この部署のメンバーが、普段どんな思いで
どんなことをしているのか?
 
それがスタッフの皆さんへも伝わるように…
と、始めたブログでもあります。
 
 
今回【戦略室】メンバーの1人が
 
プライベートで起きた出来事から
 
家族を通して感じた
色んな思いを文章にしてくれました。
 
 
 
彼(あだ名:キック)は、奥さんと、まだ小さいお子さんの
3人で暮らしています。
 
 
ちょっと長いですが、省略するところがひとつもないんで
 
まるっとアップさせてもらいます(´ー`)ヨンデ
 
 
 
 

 
 
妻と義母の入院 一連の流れに寄せて
(H23.1.30)
 
 
 
2人目の子どもに恵まれ、妊娠3ヶ月の妻に出血がありました。
 
慌てて病院に行った妻から

半ば半狂乱で電話があり、私も急いで早退したところ

幸運なことにお腹の子には影響なく、

 
医師より今後は、安静にしているように指示を受けました。
 
 
 
しかし長男が1歳7ヶ月と、日々の育児に追われる生活の中で
 
とても安静にできるはずがなく、
 
数日後に再出血し、その日から入院となりました。
 
 
 
そしてその間、唯一頼れる県内の義母(74歳)を家に招いて
 
長男の育児を任せ、私は会社に出勤する生活がはじまりました。
 
 
私と義母と長男での、3人暮らし。
 
義母は、何十年ぶりに小さな子を相手に張り切り、
 
私は仕事を早く済ませ、できるだけ早く帰るという毎日で
 
当初は楽しく過ごしていましたが、慣れない育児に
 
義母の疲労が徐々にたまっていたのです。
 
 
 
妻が入院する数日前、
 
大きな仕事に参加させてもらえることになった私は、
 
以前にくらべ出勤時間が早くなり、
 
義母との3人暮らしになってからは、早朝に

長男の朝ごはんを準備してから

 
そーっと家を出るという生活でした。
 
 
 
ある日の朝、いつものように子どもの朝食を準備していると、
 
その日は子どもが起きてしまい、泣きながら義母に飛びつきました。
 
泣いている子を慌てて抱き上げようとした義母は、
 
それがきっかけで腰を痛めたようでした。
 
 
 
1日目
 
 
そのまま出勤し、帰宅。 
 
部屋に入ってみると、座り込んだ義母の膝に
 
子どもが寄りかかり熟睡している。 
 
寝ている子どもをそのまま布団へ移動し、
 
「少し痛いけどゆっくり動けば大丈夫」という義母に
 
私は「仕事をしたいから」と、添い寝をお願いする。
 
(もしかしたらお義母さんは
晩ご飯を食べてなかったかもしれない。)
 
 
 
 
2日目
 
 
近所の友人に買出しを頼み、義母へ届けてもらう。
 
簡単な食材やパン、果物など。
 
また、義母の腰はギックリ腰と思い、
 
湿布と市販のコルセットも頼む。
 
「どうにか大丈夫やわ」という義母に甘え、
 
私は「仕事があるから」と先に寝てもらう。
 
家の中が荒れている。少し暗い雰囲気。
 
 
 
 
3日目
 
 
朝、いつもより準備が遅れていたため
 
「お義母さん、早く起きてください」
 
「お義母さん、早くトイレから出てきてください」
 
などと、腰の痛い義母に言う。
 
自分の罪悪感に蓋をし、家を出発することばかり考えていました。
 
 
「それじゃ行ってきます。まだちょっと痛いかも知れないけど
よろしくお願いします。」と言うと、
 
 
 
「・・・はい。」
 
 
 
少し違和感がありましたが、それにも目をつむり
 
ドアを閉めて駅に向かいました。
 
 
 
 
駅に向かう途中は色々な考えが頭をめぐりました。
 
 
 
 
昨日まではいってらっしゃいといってくれていたのに…
 
「・・・はい」しか言わないなんて。
 
 
こっちだって職場に迷惑かけて早く帰ってきてるのに。 
 
子どもの世話のために来てるのにギックリ腰なんて。。 
 
しっかりしてくれよ。
 
仕事も今が頑張りどきなんだ。 
 
たぶんギックリ腰だから今日ぐらいから
楽になると思ってたんだけどな。
 
 
 
 
しばらく歩いたあと、
 
次は会社の上司・先輩のことが、頭に浮かんできました。
 
 
「介護職っていうのはな、究極のサービス業なんやで。
 
ほら、言葉がうまく発せられない高齢者に対して、
 
その人が何を求めているかを察知できないとあかんしな」
 
 
 
「介護を受ける本人はもちろんだけど、
 
支えるご家族も大変なのよ。
 
少しずつの苦労が、気がついたら
 
大きな苦労に変わってるから、特に意識して
 
早めに対処していく必要があるの。」
 
 
 
 
駅まで歩く短い時間でしたが、

様々な気持ちがめぐりました。

 
大きな仕事を任され、結果を出して評価をされたいという願望。
 
しかし連日早く帰り、引けめを感じている毎日。
 
一向に良くならない義母の腰。
 
妻の入院時ですでに消化している休日数…
 
 
 
 
「高齢者介護施設に務めている自分が、
 
今朝感じた義母の違和感を見過ごしていいのだろうか?。。
 
自分が仕事で評価されたいという願望のために。」
 
 
 
 
そんな気持ちの中、最後に思い出した
東岸係長の口癖
 
 
 
「高齢者はな、時間がないんや。
 
今!、今!、
 
常に今が勝負なんやで!!」
 
 
 
 
この言葉を思い出した途端、頭の中の霧が晴れました。
 
「そう。そう!ここできちんとすることが、
いち個人としても、いまの仕事としても、それが本質だ!」と。
 
 
 
その答えが出たあとは、踵を返し家に向かいました。
どうせなら今の状況を完璧に対処しよう。
 
今の仕事で得た知識を存分に発揮してベストな環境に組み直そうと。
 
 
 
家に帰りすぐに整形外科へ連絡し、車椅子を取りに行きました。
 
そして子どもを抱き紐で抱え、
 
義母を車椅子にのせ病院に連れていきました。
 
 
 
検査の結果は「第一腰骨の圧迫骨折」
 
 
 
ギックリ腰なんて甘いことではありませんでした。
 
家に帰るか、入院させるか。 その際、医師に言われた言葉が、
 
 
 
「奥さんが入院し、動けないお義母さんと子どもの世話、
 
そして仕事。そうなったら次に倒れるのは君だよ。
 
だからお義母さんはうちに任せなさい。
 
お義母さんは今無理すると一生まっすぐ立てないよ。」
 
 
 
無論、これ以上お義母さんに無理をさせないと思い
 
翌日から入院と決めました。
 
 
 
 
そうなると次は子どもの世話をどうするか。
 
いろいろな人からの手助けはありがたい。
 
しかし冷静に判断すると子どもを家に置くことにこだわっても、
 
これ以上各々に負担をかけ、その上「ツギハギ」で
 
子守を行うことは子どもにも良くない。
 
 
幸い、遠方だけど、妻の実姉が佐賀県で専業主婦をしている。
 
しかも我が子と同じ年令の子育て中。
 
それならば、安静のために入院している妻ともども
 
佐賀に行ってしまえばどうか。
 
今いるところを退院させ、新幹線で佐賀へ向かえば3時間半で着く。
 
移動中も安静にさせるために、子どもの面倒を自分が見て
 
佐賀へ向かえば大丈夫ではないだろうか。
 
実姉のもとならば妻もリラックスし、子どもも寂しくない。。
 
 
 
よし、これが現状のベストかもしれないと、
 
義母を家に寝かせ、次は妻の入院している病院へ向かいました。
 
 
当初、佐賀行きに懸念を示していた妻も、
それがベストだと理解してくれました。
 
 
 
 
次は会社へ相談。
 
 
 
 
もしこの状況が理解されなかったらどうしよう。
 
仕事に遅れが出ていることは自分も分かっている。
 
しかし今回の判断は、自分の従事している職業の本質でもあるはず。
 
 
 
 
なんて言われるだろうか。。
 
 
 
 
所属している本部長に電話をかけ状況を報告し、
 
勤務に迷惑を欠けていることを詫びました。
 
すると、電話口から帰ってきた答えは、
 
「そんな細かいこと気にせんでいい。行っておいで!」でした。
 
とてもさっぱりと清々しい言われ方でした。
 
 
その清々しさに勇気づけられ、また、
 
朝に悩んで判断したことは間違ってなかったんだ、という
 
嬉しさと安心感に包まれました。
 
 
 
すべての計画と準備が整い、その晩は明日より入院する義母へ
 
感謝と謝罪の気持ちとしてささやかな手料理を用意しました。
 
 
椅子が楽だからと、ソファーでうたた寝していた義母が目を覚まし、
 
テーブルの上に並んだ料理を見て、おいおいと泣き出しました。
 
 
 
自分が子どもの面倒を見に来たのに、
 
腰を痛めて面倒を見てもらうことになった情け無さ。
 
一時期不機嫌だった私との切なさ。
 
それが朝突然に戻ってきてから、急に頼もしく
 
段取りを行ってくれた驚きとうれしさ…
 
 
 
その晩は、二人で今回の成り行きを振り返るように語り合いました。
 
不機嫌だったことを詫び、朝一旦駅に向かいながらも、
 
上司先輩の言葉のおかげで戻ってこれたこと。
 
状況報告の連絡でいただいた清々しい言葉。
 
 
 
一連の話を聞いた義母は「なんていい上司さんたち」
 
「立派な会社だね」ととても喜び、
 
自分の入院のことを親類へ電話するときも、ずっと
 
「キックさんは立派だ」「とてもいい会社にいる」
 
「やはり介護業界の人はいざという時に頼りになるね」
 
「そんな言葉をくれた本部長さんもすごい人だ」と
 
本当に嬉しそうにしていました。
 
 
 
 
そして翌日、計画通りに義母を車椅子で病院へ送り、
 
入院の手続きを済ませ、その足で
 
次は子どもと二人で妻の入院先へいき、退院手続き。
 
 
そのまま電車を乗り継ぎ、
 
無事佐賀の実姉のもとへと送り届けることができました。 
 
 
幸い、道中に妻の体調が変化すること無く、
 
これで現状のベストを尽くせたと心からほっとしました。
 
 
今回、妻の出血が始まった時から、
 
戦略室メンバーからも本当に気にかけていただきました。
 
急遽の早退や勤務変更でも迷惑顔一つなく対応・フォローしてもらえ、
 
メールで保育情報を集めてくれたり、
 
頑張りすぎないようにね、と励ましてもらったり。
 
 
また、駅に向かう途中に浮かんだ上司先輩のいろいろな言葉や、
 
本部長からの清々しい言葉。
 
昔の自分だと、きっと「家にいるのがしんどい」とか
 
「自身の仕事願望」が優先され、家に戻ることはなかったと思います。
 
しかし、その言葉たちがあったおかげで、
 
家に戻り最善の動きをすることが出来ました。
 
 
 
今回の出来事は、介護業界なら当然なのか、
 
それとも「あかね」だからできたのか。。
 
たぶん、両方だったからだと思っています。
 
 
 
様々な業務に関わる経営戦略室。
 
いかに利用者様を満足させられるか?や、
 
いかに介護業界のイメージアップさせるか?など、
 
日々常々悩み、考え、行動しています。
 
 
「介護業である」ということは、
 
「相手の気持ちをいかに読み取り、
 
さらには相手が気づいていない様なことまで、私達が気づき、
 
最善のサービスや提案を行う」ということに尽きると思っています。
 
 
 
 
それをあの朝思い出すことが出来たのが
 
とても大きなことでした。
 
 
 
この本質を意識に植えこんでくれた上司先輩、会社に感謝です。
 
 
 
いま、環境が落ち着き改めて思います。
 
 
高齢者はもちろん、取引先から就活中の学生、
 
共に働く大勢のスタッフまでを範囲として
 
「相手が何を求めているかの察知」
「相手に合わせたサービスと提案」を繰り返し、
 
ゴールには「世に望まれる仕事や事業を成し遂げることが真の成功。」
 
この気持で成功を目指したい。
 
 
よくよく考えると、これは介護業界に限らず、
 
世の中のどんな仕事でも成功の秘訣なのかもしれません。
 
「真の成功を目指す人。」多ければ多いほどライバルが増えますが、
 
勝つべく切磋琢磨すれば、
 
結局は世の中すべてのサービスレベルが上がるということ。
 
 
競うなら負けたくありません。
 
 
自信を持って、「真の成功」を目指します。
 
 
 
 
乱文かつ長文失礼しました。
 
文章にし、この感情は本物だ!と改めて
 
自分の変化に驚いています。
 
 
…………
 
 
 
 
 
いかがでしたか( ´Д`)
 
 
 
【戦略室メンバー】は、介護職の方のように、
 
直接ご利用者のお世話をしているわけではありません…
 
 
だけど、色んな人のお話を聞くたびに、
 
心を動かされているのは事実。
 
現場の方の気持ちがもっと分かるようになりたい。
 
 
その中で、私にできることは何なのか…?
 
そんなことを考える毎日です。
 
 
この出来事を聞き、
 
私もこの業界へ飛び込んできて良かったと、
 
素直に今思います。。
 
 
 

 

ヴィラ杢園

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