本当にあったかもしれない怖い話

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ヴィラ杢園

連日暑い日が続いております。

夏と言えば怖い話。「あなたの知らない世界」「こたえてちょーだい」「ほん怖」。

懐かしいですね。思えば最近こういった番組を見なくなってきていますね。

怖い話が大好きな私が実際に体験した怖い話を一席打ちたいと思います。

夜に眠れなくなっても知らないぞ。ぐっすり寝たい人は見ないでください。

ヴィラ杢園

残り1日。恐怖の任意継続……

あれは私が新入社員であったある夏の夕方。
うだるような暑さの中、先輩とお昼ご飯を食べ終わって会社に戻るところでした。

前月末に定年退職を迎えた方を万感の思いで送り出したのも束の間、人事の私は離職票の作成や健康保険の資格喪失届の作成、保険証の回収など不慣れな仕事に追われていました。

セミの大合唱、アスファルトからの熱で景色が歪んで見える中、ふとした悪寒に襲われたのです。その嫌な感覚が何なのか自分でも分からず、暑さでしゃべりたくなさそうな先輩に声をかけずにはいられませんでした……

「〇〇さん、定年退職されて今日で20日ほどたちますね・・寂しいですね」

「西谷クン、定年退職者の任意継続の手続した?」

「ニンイケイゾク??なんスカ?それ」

「キャー!!」

思い出すだけで背筋がゾゾっとするので詳しい説明は端折りますが、
その手続きの期限は退職日の翌日から20日以内。残りあと1日という状況。
手続き書類を本人に書いてもらったり役所に取り入ってもらったりしないといけない。
でも、そんなこと先輩から教えてもらってないし!無理無理無理無理!!

残された手段は手続き先の機関に連絡して、頼み込むこと。
電話越しに頭がデスクを破壊して、膝に着くぐらいお詫びをし、何とかお許しいただいた次第。

その時の担当者の声は、姿は見えないけれどもいつも私を見守ってくれているご先祖様の霊の声のように思いました。

残り5分。消えた新入社員たち……

今を遡ること10年以上前の4月1日。
私は海と山に挟まれたとあるビルの2Fで、いつもより早く出社していました。

その日は新入社員の入社式の日。かわいい新入社員がようやく入社してくるなあ、と感慨にふける採用担当者はド素人。新入社員そっちのけで翌年4月1日に入社してくる学生のための会社説明会資料作り、練習に必死に励んでいました。

そんな中、早い子は入社式が始まる30分前からちらほらと会場入りをし始めましたので、資料作りの手を止めて、入社式会場に行くことにしました。談笑をしながら5分経過、10分経過、15分経過……その時点で異変に気付いたのです。

あれ?7人来てない。社長以下10数名の役員が会場入りを開始し、着席。残り10分。
総務の女性が階段を駆け上がってきて、私に叫んだのです。

「反対方向の電車に乗ってるって連絡が来ました!!」

「ギャー!!!!」

彼らは遠方からの入社者で前日にホテル入りしていた方たち。
電車を乗り換え、坂道をころびながら走って10分遅刻の会場入り。その姿たるやボロボロ。
入社式後の役員との記念写真のその姿は集合写真前面に写りこむずうずうしい心霊の様でありました。

残り1分。深夜0時に動くエレベーター……

それは、ある春の日の夜に起こりました。

春と言えば人事担当者として魔の季節。たくさんの行事が集中し、連日帰宅が深夜になるのが当たり前。特にその年は給与制度の大きな改訂があって初めて迎えた給与計算確定日前日。私は1000人の給与計算チェックを行うためにその日も当然のように残業をしていました。

22:00ー 私以外の最後の社員が帰りますと声をかけてくる。これで社内にいるのは私一人。静けさが深まり、カタカタカタとキーボードをたたく音、カチカチとマウスをクリックする音が心なしか大きく聞こえるようになる。

23:00-正社員の基本給のチェックはほぼ完了。ミスを見つけたので修正。4階建てのビルの前を走っていた車の音も徐々に聞こえなくなる。それほど広くはないフロアにある時計の秒針を刻む音が大きく聞こえるようになる。疲労のあまり頭がくらくらしてくる。
誰かチェック作業を手伝ってほしい。誰かチェック作業を手伝ってほしい……

23:59-耳が痛くなりそうなほどの静けさの中、それは突然起こったのです。

「ウイーーーーーン」

「え??」

誰もいないはずだし、誰も入ってこれないに、急に動き始めるエレベーターの音。

しかも、ここ3F出し。動いている音聞こえるし!もうすぐ0:00だし!!

その時、私がとっさに思ったこと。

「幽霊でいい。この住宅手当のチェック作業を手伝ってほしい……」

翌日も仕事が立て込んでおり、結局この話は誰にもすることはありませんでした。
でもエレベーターは確かに私がいるフロアでその音を止めたんですよ。
今振り返ってみると、なんとなくですが、まさにソレだったように思えてなりません。

私の仕事を手伝ってほしいという気持ちが届いた瞬間、
エレベーターが下に降りる音が聞こえたら笑えたんですけどね。

幽霊も逃げ出すほどの給与計算業務を日々してくださっているすべてのあかね担当職員の皆様に感謝いたします。

 

採用情報|社会福祉法人あかね

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