2020/9/16
アンパンマンと介護 ~映画アンパンマン傑作選~
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みなさんこんにちは、システムチーム小杉です。私は年に数度ある社内PCのメンテナンス月に突入しておりまして、本日は公休でした。
そんな公休日の今日はゆっくりと過ごそうと思っていたところに、朝から以前の職場で仲の良かった友人から1本の電話で起こされました。
その内容と言うのが、「PCの新たな脅威として、音響による攻撃方法が確認された」と言うものでした。友人の話ではセキュリティーソフト会社大手のESETのサイトにその情報が掲載されているとの事で早速確認してみました。
その中で、セキュリティー研究者のグラハム・クルーリー氏によると、アメリカのミシガン大学と中国は杭州の浙江大学の研究チームが、ある音域の含まれる音をスピーカーから流すだけで、ハードディスク(以下HDD)を搭載する機器に物理的な損傷を与えることができるとした研究結果を発表したとの事。
HDDとはHDDレコーダー、防犯カメラシステムや、大手金融システムのデータセンターや、各種サーバーなどに広く使われている記憶媒体の事です。
身近なところでは、どこの職場には必ずあると思われるほとんどのPCの中にもHDDは組み込まれています。
ではそのメカニズムとはどんなものなのでしょうか?
”以下原文”
With audible sound waves it’s possible to vibrate the read/write head and platters in the magnetic hard disk drives commonly found in desktop and laptop computers. Vibrations beyond outside of operational bounds can lead to both hardware and software being damaged, causing file system corruption and reboots. The researchers even showed that it is possible for an attacker to use a device’s built-in speakers (or nearby speakers) to cause persistent errors.
”訳すと以下の通りです”
可聴音波にり、コンピューターに搭載される磁気ハードディスクの読み書きヘッドとプラッタをさせることができる。それらの振動はハードウェアとソフトウェアの両方に損傷を与え、ファイルシステムの破損や再起動を引き起こす可能性があります。研究者らは、攻撃者がデバイス内臓のスピーカー若しくは近くにあるスピーカーを使用して、永続的なエラーを引き起こす可能性があることを指摘しました。
以前何かのテレビで、「オペラ歌手の歌声でワイングラスは割れるか?」というような企画を見た事があります。何度も何度も実験を行った結果、ある条件下で声だけで少し離れた場所に置いたワイングラスを見事に割って見せていました。
更にその番組内では、この現象を科学的に説明をしていました。その内容はある一定の音域の周波数をワイングラスに当てることで、グラスを振動させ最終的に割ることが(破壊することが)できるのだと。
これは今回の発表内容と同じ原理を利用したものですね。
HDDの中にはその重要な役割を果たす部品として、ヘッドとプラッタという物が組み込まれています。わかりやすく言うと、ヘッドとはレコードのアームの様なもので、プラッタとはレコードのようなものです。プラッタと呼ばれるレコードのような丸い円盤型の部品は、HDD内で1秒間に120回転の高速で回転しています。その高速で回転するプラッタの上を接触しないようにヘッドと呼ばれるレコードアームの様な部品が行き来して絶えずデータの読み書きを行います。
これは非接触で行われており、これらが接触すとる物理故障の原因になります。PCの電源が入った状態で衝撃を与えてはダメとか、ノートPCも電源が入った状態で持ち運びしてはいけないと言う理由はこういう事です。
ただ、今回の検証結果も、先のオペラ歌手のくだりでも書いた様に、【一定の条件下】でのみ有効な攻撃方法のようです。また駆動部品を内部にもたない記憶媒体であるSSDは影響を受けません。
しかしながら、一定の条件がどのタイミングで整うかは分かりませんので、当面はPCからスピーカーを切り離しておいたほうが良いかもしれませんね。