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給食的な献立にとらわれず、もっと心躍るお食事を。高齢者施設のお食事で新しい取組みがスタート!

社会福祉法人あかねでは、運営する高齢者施設で提供しているお食事において、今年11月より、新しい取組みをスタートしました。

献立、盛り付け、食器、演出を見直し、お客様に「食」を最大限に楽しんでいただけるよう、これまでもこだわってきたお食事をさらにグレードアップ。運営するサービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービスで提供中です。

今回は、新しい取組みを推進している管理栄養士チームの松尾さんにお話を聞いてきました。

 

プロフィール:松尾さん

介護福祉施設『天河草子』(兵庫県猪名川町)で、管理栄養士として従事。将来の夢は、あかねスタッフの健康を守る社員食堂をつくること。

 

ー法人全体のお食事で新しい取組みをスタートされました。そのきっかけを教えてください。

ラーメン会議という、お客様の夢を実現する企画を考える社内会議がきっかけでした。「よくある給食的な献立にとらわれず、お客様がもっとワクワクするお食事を提供したい」という声が、管理栄養士から多く挙がったんです。例えば、「定食屋やカフェで出てくるような料理があってもいいのでは?」「一汁三菜にこだわる必要はあるのか?」のような声が挙がりました。

さらに、お客様にも「どんなお食事が食べたいですか?」と聞いてみると、オムライスやサンドウィッチなど、今まで出したことがないメニューが挙がったんです。そういう声を聞き、お食事には今までもこだわってきましたが、さらにグレードアップしようと決めました。

 

ー社員の声から始まった取組みなんですね。具体的にどのように変わりましたか?

新メニューをたくさん出しています。例えば、サンドウィッチ、ハンバーガー、にしん蕎麦、キンパ・チヂミ。賛否が分かれるメニューもありましたが、全体的に好評です。もちろん、お寿司や天ぷらといった人気の定番メニューも出しています。

取組み開始後は、「今日は何が出るんだろう?」とワクワクされるお客様が増え、「毎日メニュー表を見るのが楽しみ」という声も多く聞きます。実際に、サービス付き高齢者向け住宅では、お食事の注文数が増えました。多くのお客様にご期待いただき、非常に嬉しいです。

 

▼メニューの一例

 

ーお客様からの反応が良かった新メニューは何でしたか?

一番人気は、おにぎりです。意外と今まで出していませんでした。演出に工夫をし、蓋を開けると湯気をモクモク立てるおにぎりが出てくる仕掛けにしてみたんです。蓋を開けた瞬間、お客様からは拍手喝采でした。みなさん、美味しいそうにおにぎりを頬張っておられましたよ。

 

 

あと、お客様からの反応が大きかったのは、インドネシア料理のナシゴレン。すこし非日常的な料理は、好奇心をそそり、会話が弾むきっかけになります。ナシゴレンの日は、お客様から「どういう料理なん?」「何が入ってるん?」などたくさんの質問をいただきました(笑)

 

▼月1回、国際食を提供。左がナシゴレン(インドネシア料理)、右がヤンニョムチキン(韓国料理)

 

ーお食事の写真を見ていると、食器や盛り付けにもこだわりを感じます。

食器や盛り付けについては、管理栄養士でアイデアを出し、厨房料理人と話し合って決めています。見た目は、美味しさに繋がりますよね。どうすれば食の体験価値を高められるかこだわっています。

 

▼食器選びにもこだわり。お食事を美味しく召し上がっていただくため細部にも注力。

 

あと、こうしたお食事を提供できるのは、厨房料理人として株式会社座右様に参画いただいているおかげです。飲食店を営む座右様の調理技術や盛り付けセンスがあるからこそ、実現できています。本当にお世話になっています。

 

ーSNSでの情報発信も積極的ですよね。

この度、管理栄養士チームのインスタグラムを新しく始めました! 普段のお食事や、私たちの想い、現場で起こったストーリーを発信しています。「どうすれば上手に写真を撮れるか?」「これはネタになるのか?」など、管理栄養士メンバーで試行錯誤しながら楽しくがんばっています!

 

▼管理栄養士チーム インスタグラム

https://www.instagram.com/eiyoushi_challenge/

 

ー最後に、今後の目標を教えてください。

お客様にもっと自由度の高い食体験を提供したいです。業界的に当たり前となっているスタイルを超えて、もっとバリエーション豊かなお食事を提供したいと思います。

高齢者施設やシニア向け住宅は一般的に給食スタイルが多く、お客様自身で食べ物を選ぶことに制約があります。私個人の理想は、そうではなく、飲食店形式のような自分で選べるスタイルです。選ぶ自由があることで、お食事がもっと楽しいものになると思います。まだまだ遠い道のりではありますが、そこを目指してがんばっていきます。