「看取りチーム」と「食事チーム」の連携から生まれた「最高の一口プロジェクト」

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介護福祉士・社会福祉士・保育士 実習生受け入れ 兵庫・尼崎・日生中央・姫路

こんにちは、クリエイティブチームのかずおです。

「もし明日死ぬとしたら、最後に何を食べたい?」といった質問を今までに受けたことはないでしょうか。ほとんどの場合は、単に「一番好きな食べ物はなに?」とか「今までで一番美味しかった食事は?」という質問を言い換えた質問だと思います。

ちなみに私なら「カレー」「お肉」って答えるかなぁ。

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ところで私は昔から料理マンガが大好きで、TVアニメでやってた「ミスター味っ子」「美味しんぼ」なんかを好んで見ていました。
料理マンガってどれもだいたい1話~数話毎に完結した内容で、話にはいくつかお決まりのパターンがあります。例えば……

  1. ある年配の男性が最近どうも元気がない。
  2. 周囲の人が心配して話を聞くうちに、昔食べたあの料理を食べさせれば元気になるのでは?ということになる。
  3. マンガの主人公が苦心の末、その味を再現し、その料理を食べてもらう。
  4. 男性は「この味だ!」と、今まで以上に元気になる。

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といったパターン。こればっかりじゃないですが、とにかく困った事は料理ひとつでなんでも解決するといった内容です(料理マンガなのであたりまえですが)。料理で人生を変えてしまうような大げさな内容に、子どもながら「そんなわけないやろ!」と思いながらも、料理のうんちくや工夫の過程が好きで、毎週楽しみに見ていました。

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介護現場での「最後の食事」

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話を戻しますが、「もし明日死ぬとしたら、最後に何を食べたい?」というこの質問、介護の現場では誇張でも比喩でもなく、すぐ目の前にあるリアルな話になります。っていうかリアルすぎてこんな風には質問できないでしょうね(笑)。

でもお客様は、それぞれにその答えを持っているはずです。しかし実際は、嚥下障害など様々な制約から「最期に食べたいものを食べて人生を終える」という方は少ないのです。特に終末期のお客様はミキサー食しか口にできない等、見た目や食感を楽しむような食事はほとんどできません。

最高の一口プロジェクト

弊社がいま取り組んでいるプロジェクトのなかに、弊社の「看取りチーム」「食事チーム」が連携して行う「最高の一口プロジェクト」というプロジェクトがあります。

これは主に、食事量が減り終末期を迎えようとするお客様に対し、大好きだったけど長らく食べてなかったり、食事形態的に食べられない好物などを、試行錯誤して食べていただくという取り組みで、2015年4月1日に放送されたNHK「クローズアップ現代」でも、弊社の取り組みのひとつとして紹介されました。

天河草子の介護士 坂根くんと、同じく天河草子の管理栄養士 松尾さんによる発案の元、試しに実践した際のお客様の反応の良さから、プロジェクト化したもの。

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言い換えればまさに「お客様が人生の最期に一番食べたいものを食べてもらう」プロジェクトです。

「最高の一口」の事例とお客様の反応

まだ数は多くありませんが、既に各施設で試行錯誤しながら「最高の一口」を提供しています。

例えばこの「牡蠣うどん」

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一見牡蠣が入った普通のうどんのようですが、うどんも牡蠣も実は一度ミキサーしてゼリー剤で固めたもの※牡蠣のひだ?(黒い部分)はそのままなので、お召し上がりの際はこの部分は取り除きます。

こちらを提供したのは90代女性のお客様。うどんと牡蠣が好きだということがわかったので「牡蠣うどん」を「最高の一口」として提供することに決定しましたが、普段はゆるめのミキサー食を提供している方です。当然普通の牡蠣もうどんも食べるのは難しい。そこで先ほどのような工夫により、見た目も味も本物そっくりだけど、食べることができる牡蠣うどんが完成しました。

普段の食事は一口程しか召し上がらないことが多くなっていたこのお客様ですが、「最高の一口」の時にはしっかりと覚醒し、牡蠣は全量、うどんも5口召し上がり、さらにご家族が持参したプリンまで召し上がりました。

これにはご家族も「やはり好きなものは食べるのね」とビックリ。

一方、アマルネス・ガーデンで行われた事例では、お客様本人が一緒に食材を買いに行くところから始め、大好きなお刺身や焼酎等を召し上がっていただくことができました。

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他にも、ほとんど言葉を発しなかったお客様が「おいしい、おいしい」とはっきり話されたり、食欲がなかったお客様が、大好きな「最中」を前にし、自分の手で完食したり……。この変化にスタッフもご家族も驚き、感動しています。

料理マンガのエピソードみたい!

食事の摂取もままならないお客様に対し、その方の一番好きな料理を様々な工夫で調理し、味わってもらう。私はこの取り組みを見て「これってまさに料理マンガのエピソードみたい!」と思いました。スゴイ!!

このままいけばマンガみたいに……

「うまいぞーー!」と言って口から光を放ったり……
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シャッキリポンと舌の上で踊ったり……
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「このような食べ物が人間の手で作れるのか!!」と驚いたりするんじゃ……
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まぁ冗談はさておき、本当に「あの一口をきっかけに今ではすっかり元気になって……」という事例も出てくるんじゃないかと密かに期待しています。

さいごに

病院ではなく、介護施設で最期を迎える人の割合が増えるなか、「その人がどのようにして幸せな最期を迎えられるか」というのは私たちに課せられた大きな課題です。

「最高の一口プロジェクト」は、その課題に対し、介護のプロである介護士と、栄養指導のプロである管理栄養士のタッグで導き出した、ひとつの答えになりうるのではないでしょうか。

そして弊社では“介護業務に携わりながらお客様に近い立ち位置でサービスを行う管理栄養士”として「フードケアスタッフ」を配置しています。ここには新卒入社のスタッフも含まれ、若くエネルギーのあるスタッフが今後「最高の一口プロジェクト」に参加することで、ますます“熱い”プロジェクトになることは間違いありません。ご期待ください!!

 

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